NPO法人子ども研究所

NPO法人子ども研究所の活動報告です

戸田調査(2022.08.20~21)

前回の調査が2019年であったため、3年ぶりの調査となりました。

ようやく、再開できることになり、研究所員一同も大変喜んでおりました。

 

 

以前からお世話になっておりました、

「戸田ふるさと祭り」の場所をお借りして、子どもの生活技術調査を実施しました。

(実技前後の手指消毒を徹底し、調査員は常時マスクを着用し、感染予防対策に努めて行なっています。)

 

 

今年度の調査のテーマは「昔遊び」です。

現在の子どもたちが、体を使い、力加減を調整しながら細かく手指を動かす昔遊びを、どれだけできるか実態調査を行ないました。

今回調査する昔遊びは、

・コマを回す(指・ひも)

・おはじきをはじく

・トランプをまとめる・きる・配る

・折り紙を折る(大小・四角/三角/作品)

お手玉をする

の5種類です。

 

 

 

コマは、指で回す小さい物と、

紐を巻いて回す大きい物の二種類をやってもらいました。

 

 

指で回すコマは、「やったことがない」と言う低年齢児でも、やってみるとうまく回せる子が多くいました。

 

一方紐で回すコマは、やったことがあっても、忘れてしまっていたり、なんとか巻けるけど回らなかったりする子どもたちの姿が見られました。

指で回そうとしたり、コマの上側に紐を巻こうとする姿も見られました。

実際に、紐を巻いて回せたのは、ほんの数人でした。

 

 

おはじきは、親指・人差し指・中指でそれぞれ、おはじきをはじいてもらいます。

 

やったことがない子が多かったようで、どうすればおはじきをとばせるのか、試行錯誤しながら挑戦する姿が見られました。

 

 

 

トランプは、バラバラになっている状態のものを、「まとめて」「きって」三人分に「配って」もらいます。

低年齢の子どもはこのような経験がまだあまりないようで、なかなかうまくいかず苦戦する子どもも見られました。

 

 

 

折り紙は、

・大きい折り紙を四角・三角に折る

・小さい折り紙を四角・三角に折る。

・そして、やっこ・かぶと・紙ひこうき・つる等を、見本を見て折る。

ということをやってもらいました。

 

折り紙をやったことのある子がほとんどでしたが、

低年齢児の子は辺と辺をきれいに合わせるのに苦戦する様子も見られました。

また、作品は作り方を覚えていて作れる子どもは、あまり見られませんでした。

  

 

 

お手玉は、2つを両手で3回行います。

一見簡単そうに見えて、「できそう!」と思ってやってみるのですが、いざやってみるとなかなかうまくいきません。

頭ではわかっているのに、2つ同時に投げてしまい、思うようにはいかない様子が見られました。




天候が悪くなってしまうこともありましたが、

たくさんの子どもたちにご協力いただきました。

また、それを温かく見守ってくれていた保護者の方にもご協力いただきました。

ありがとうございました。

 

今回、久しぶりの調査を行いましたが、無事に二日間を終えることができました。

たくさんの方々に協力していただき、我々は調査をさせてもらっているのだということを改めて実感し、感謝の思いでいっぱいです。

 

引き続き、調査を進めてまいりたいと思います。

 

(橋本)

第5回セミナー「特別な配慮を必要とする子ども」(2022.07.17)

時間が空いての活動報告となってしまいました。

コロナウイルスの影響により活動の制限が多く、

本研究所もこれまで当たり前に出来ていたことができなくなり、

もどかしい日々を送っておりました。

 

少しずつ社会情勢も変化し、活動できることも増えてきました。

先日、感染予防対策には十分留意し、

第5回のセミナーを開催することができました。

 

今回のテーマは

「特別な配慮を必要とする子ども」

です。

 

 

 

午前中は、

東京学芸大学目白大学 名誉教授の

福島脩美先生による、

「保育のためのカウンセリング入門」

の講演でした。

 

 

「カウンセリング」という、

少し難しそうな、固そうな題材でしたが、

福島先生の、おもしろくかつわかりやすいお話で、

聴講者は引き込まれていきました。

 

「保育」と「カウンセリング」は似ていること、

”連れ添い”の関係であること等を、丁寧にお話ししてくださり、

研究所員をはじめとしたセミナー参加者は、大変勉強になりました。

 

 

 

午後からは、

「特別な配慮を必要とする子ども」

をテーマに、

4名の先生をお迎えして、シンポジウムを行いました。

 

 

 

 

幼稚園・小学校・中学校・児童発達支援施設の、

それぞれの現場のお話しを頂きました。

 

それぞれの、起こった出来事に対応している先生方のお話しや、

どのように子どもと向き合っているかのお話しを聞かせていただきました。

 

 

また、どのように保護者や周りの子どもにも援助していけば良いか、

といった会場からの質問もあり、

多くの意見交換ができ、大変ためになるシンポジウムとなりました。

 

 

このような状況下であり、

また皆様お忙しい中でもありながら、

約90名と、大変多くの参加者に集まっていただき、

感謝しております。

 

コロナ禍でも、保育・教育・子育てがなくなることはありません。

そんな中でも、様々な場面で活かされるような、

勉強ができたのではないかなと思っております。

 

(橋本)

生活技術教室(門沢橋小学校2019.8.23)

今年度2回目の生活技術教室になります。

 

今回は、『海老名市立門沢橋小学校』に伺わせていただき、「えびなっ子スクール」の体験活動の一環として、お邪魔させていただきました。

 

今回の生活技術教室は、前半の1コマは1〜3年生の低学年、後半の1コマは4〜6年生の高学年が受講するため、計2コマ担当させていただきました。

前半は研究会員の谷田貝円先生、後半は橋本樹が担当致しました。

 

前半の低学年は、教室に集まると、"なにをやるのだろう…?"と期待感たっぷりでそわそわしている様子でした。

しかし、講師の先生が話を始めると、すぐに注目して真剣に聞こうとしていました。

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今回は、鉛筆の持ち方と箸の持ち方を指導しました。

いつも持って書いている鉛筆ですが、いざ「ちゃんと正しく持とう」と言われると、"あれ?こうだっけ…?"と苦戦しながら、鉛筆を持って書いていました。

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鉛筆の使い方と箸の使い方は似ているため、鉛筆がきちんと持てるようになってから、箸を持ち始めました。

箸も、自分がやり慣れているいつもの持ち方とは違い、ぎこちない動作になってしまいます。

それでも、教えてもらった持ち方をやってみて、それでスポンジや豆をつまめると、"ほら、できたよ!見て!!"と研究会員の方に見せてくれるのが、とても微笑ましく思いました。

 

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わずか50分という短い時間でしたが、始めよりもずっと上達していた子どもたちでした。

 

続いて、高学年の子どもたち。

自信満々で意気込んでいましたが、いざやってみると、意外と難しい様子で次第に、真剣に取り組むようになっていきました。

それでも、日頃から意識している子も多いのか、少し指導すれば、伝統的な正しい持ち方に直る子も多くいました。

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ぜひ、今日で終わりにせずに、今後とも意識して、正しい箸の持ち方が定着してくれるといいなと思っています。

 

 

低学年も高学年も、子どもたちは、しっかりと話しを聞いて、

真剣にやりつつも、楽しく、鉛筆と箸の持ち方を習おうとしていたように思います。

そのため、とても上達しました。

定着するまでは、ぎこちなく、やりにくくて使いづらいと思いますが、慣れれば最も使いやすい持ち方が伝統的な持ち方(正しい持ち方)なので、今回をきっかけにして、身につけてくれればいいなと思っています。

 

色々な鉛筆・箸の持ち方をする子どもたちがおり、"どうすればうまく伝わるのか"、"どう教えれば直せるようになるのか"と、私たち研究員も、とても勉強になった1日でした。

その機会を与えてくださった、門沢橋小学校の教職員の皆様、保護者の方々、子どもたちに、感謝しております。

 

(橋本樹)

いわき調査 2019.8.20〜22

戸田調査に引き続き、福島県いわき市にて、子どもの生活技術調査を行いました。

今年も、小名浜港にある『いわき・ら・ら・ミュウ』のスペースをお借りして、調査をさせていただきました。

 

 

戸田調査と同様に、今回調査を行った内容は、

・紐結び

・ボタン掛け

・座り方/立ち方

です。

 

 

紐結びは、「やったことない…」「できない…」と言う小さい子も多かったのですが、やってみようとしてみたり、調査員や保護者の方に教えてもらったりして、取り組んでくれていました。

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ボタン掛けは、「これはできる!」と張り切ってやってみるのですが、小さいボタンで首の部分や袖口に苦戦する子もいましたが、一生懸命、取り組んでくれていました。

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立ち方(片足立ち)・座り方は、10秒間その姿勢をキープできれば a(できた)、その形を作れても、保っていられない場合は b(できない)と判定しています。

 

 

片足立ちは、フラフラしながらも、やるのが楽しくて、笑いながら何度も挑戦してみたり、

右足では足をついてしまったけど、左足でやってみると出来たりと、様々な姿が見られました。

中高生のほとんどは、10秒位は安定して立てていたようにみえました。

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座り方は、そんきょ・ウンコ座りをしてもらいました。

どうやってやるのか、真剣に聞きながら、真似してやってくれていました。

かかとを上げないウンコ座りではしっかりとバランスがとれても、かかとを上げるそんきょではフラついてしまったら…その反対もあったり…と、バランスをとるのに苦戦する子もいました。

しかし、昨今、「そんきょができない」「バランス感覚が悪くなっている」などと聞くこともありますが、今回の調査では、思っていた以上に、バランスをとって立ったり座ったりできる子が多いような印象でした。

(詳しい実数は報告書にてお知らせ致します。)

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2泊3日で行った調査で、約200名の子どもを調査させていただきました。

調査に参加してくれた子どもたち、調査を行うに際してお力添えしてくださった現地の方々、調査してくれる子どもたちを勧誘に行ってくれた目白大学の学生たち、

多くの方々のご協力から、今回の調査を実施でき、感謝しております。

ありがとうございました。

 

また、今回の調査に参加された研究員の皆さんもお疲れ様でした。

この経験をまた次に繋げていきたいと思っています。

 

今年度の次回の調査は、10.12の宇都宮調査です。

またご報告させていただきます。

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(橋本樹)

戸田調査 2019.8.17-18

2019年度の調査が開始されました。

 

まずは、埼玉県戸田市の「ふるさと祭り」にて場所をお借りして、子供の生活技術を調査しました。

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今年の実施内容は、

・紐結び

・ボタン掛け

・座り方/立ち方

となります。

 

 

紐結びは、体の前後でそれぞれ、堅結び・蝶結び(花結び)をしてもらいます。

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蝶結びをまだやったことのない子や、前はうまく出来るけど、後ろは思い通りにいかず手こずる子など、様々な姿が見られました。

 

また、靴紐の結び方もやってもらいました。

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小学校高学年以上は、紐靴を履いている子が多かったのですが、幼児のほとんどは、「見たことない」「やったことない」という子がほとんどでした。

 

 

ボタン掛けは、

シャツの前部、上/中/下の3か所と、左右の袖口の、計5か所をやってもらいました。

シャツは、大きいボタンの物と、小さいボタンの物、2種類です。

 

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中高生は、制服でワイシャツを着る機会も多いようで、手慣れた様子でとめられる子が多かったです。

反対に小学生は、袖口にボタンのあるシャツを着る経験が少ないようで、なかなかとめられず苦戦する子もいました。

 

 

子どもの足腰の状態・姿勢を調査するため、そんきょ、うんこ座り、片足立ちを実施しました。

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この2日間で、およそ250名の子どもたちに調査をさせていただきました。

猛暑の中でしたが、大勢の方々にご協力いただき、調査を実施することができました。

ありがとうございました。

 

次回の調査は、8月20〜22日のいわきでの調査です。

 

 

(橋本樹)

教育文化学会第1回研究大会で本研究会の成果が発表されました(2019.8.11.)

  • 8月11 日(日)、本研究会の後援により、松蔭大学森の里キャンパスで教育文化学会第1回研究大会が開催されました。そこでは、本研究会の研究成果が2本報告されました。

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    石上七鞘学会代表の「言霊と大和魂」と題する記念講演
    • 大会午後には、「生活技術に関する調査研究─生卵を割る・タオルを絞る・タオルでテーブルを拭く・お茶を入れる─」というタイトルで、昨年度の実技調査の研究報告を、大﨑利紀子会員が研究会を代表して行いました。

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    大﨑利紀子会員の学会発表
    • 次に、「子どもの生活スタイルに関する調査研究」というテーマで、昨年秋に実施した「子どもの姿勢に関するアンケート調査」の報告を、研究会を代表して大沢が担当しました。

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    アンケート調査の研究報告
    • 今回学会発表された生活技術に関する調査研究と、生活スタイルに関する調査研究の詳細は、間もなく本研究会の報告書として冊子にまとめられることになっています。

    • 当日は、髙橋弥生副理事長と中島朋紀会員が一般研究発表の司会を担当し、受付も本研究会で対応しました。また髙玉和子監事は「保育実習I(施設)経験における諸要素が与える学生の職業選択に対する指向性の変化」と題して共同発表を、橋本樹会員は「生き物に対するイメージに関す研究─子ども学科とメディア学科の学生の比較検討」というテーマで単独発表を行いました。

    • 大会では、NPO研究会のメンバーだけではなく、多くの大学関係者、教育実践家の発表もあり、活発な質疑応答が行われました。
    • 本研究会が他学会とコラボをして大会を運営する初めての機会となり、本研究会の活動ならびに成果が、他大学および教育関係者の皆様に広く知られる良い機会となりました。

                                                                                                                 (大沢)

 

第3回夏季セミナー(2019.7.27)


NPO法人 子どもの生活科学研究会主催の、セミナーが行われました。

今年で、3回目になります。

今回は、逗子文化プラザ市民交流センターをお借りして、逗子市教育委員会と一藝社の後援の基、開催することができました。

 

今回のセミナーは、

「手先の不器用な子どもへの保育や家庭での工夫~発達が気になる子に対する援助も含めて~」

というテーマで、東京経営短期大学の尾崎先生の講演、

そして、

「子ども

の手先の器用・不器用を考える」

というテーマで、シンポジウム

を行いました。

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尾崎先生の講演では、子どもの手先の器用さについて、

それは、現代の子どもの問題としての不器用さなのか、

あるいは、生得的な不器用さなのか、

など、子どもの発達に沿って考え、

子どもの実態などを交えながら、具体的にお話してくださいました。

大変わかりやすく、研究会員をはじめ、今回のセミナーに参加された方々は、とても勉強になりました。

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また、シンポジウムでは、

子どもに携わる現場で働く、4人の先生をシンポジストとして、

子どもの実態を、手に関わる関わることを中心にお話してくださいました。

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幼稚園・発達支援センター・ことばの教室・小学校と、

様々な現場の実情を教えてくださいました。

いづれの現場でも、現代の子どもは不器用になってきているという現状と、

いかにして、子どもが手を使う経験をできるようにするかという工夫をされていることを、教えてくださいました。

 

 

シンポジストの方々のお話が終わった後も、

現場で活躍される先生方から、感想や質問をいただくなど、

多くの意見交換をすることができ、どれも、とてもためになるお話ばかりでした。

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現場での子どもの様子を、とてもリアルに、そして具体的に詳しく話してくださり、

わかりやすく、学びの多いセミナーとなりました。

多くの方々にご参加いただき、大変感謝しております。

非常に充実した時間を、皆様で過ごすことができました。

 

(橋本樹)

 

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